2010-08-05

馬政権は日、米、EUとのFTAに積極姿勢を示せ


馬政権はこのほどシンガポールとの間で、自由貿易協定にあたる協定の交渉を始めると発表した。

これについて林右昌スポークスパーソンは5日、「台湾が世界のいかなる国とも経済関係を発展させることは良いことである。しかしシンガポール、それからニュージーランドといった国とは民進党政権時代にすでにFTAとほぼ同等の効力をもつ取り決めを結んできたが、当時中国の圧力および国民党の妨害によりその他の多くの国とのFTA締結が実現できなかったという経緯がある。したがって今回シンガポールとFTA交渉云々というのはなんら新規性がなく、むしろ国民党政権が台中ECFAで起こった対立から目くらましを図るポーズにすぎない」と批判した。

さらに、林スポークスパーソンは次のように指摘した。

台湾の経済発展にとっては、日本、米国、EUといった大型経済体とのFTAこそが必要であり、そうした本丸を狙わない今回の国民党政権の手法は姑息であり、中国が求める一つの中国の枠組みへの対抗手段を考えない弱腰なものである。

またこのシンガポールと順調に交渉が進められる背景には、香港と同様に、馬政権が中国との間で「ひとつの中国」について暗黙の了解に立脚したうえで、中国からシンガポールとの交渉の「許可」を得た疑いが強い。そうした方式がそれ以外の国とのFTA交渉でも適用されたなら、台湾は主権の立場をどんどん失うことになる。

民進党としては馬政権に対して、シンガポールなど今後交渉を進める国家との間で、台湾がいかなる名目と立場と地位で交渉するのかについて、明確に説明することを断固として要求する。